不妊症

不妊症

 以前は、通常の性生活があるのに、2年間妊娠が成立しない場合を、"不妊症"と呼んでいました。
 平成27年8月に、以下のように改正されました。

 不妊症の定義 日本産婦人科学会
 不妊(症) infertility, (sterility)
 生殖年齢の男女が妊娠を希望し,ある一定期間,避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、 妊娠の成立をみない場合を不妊という. その一定期間については1年というのが一般的である. なお,妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない.

 不妊症の検査や治療に関しては、 日本生殖医学会の"不妊症Q&A よくある質問"をご参照下さい。

不妊症の初期検査

 不妊症の原因検索のために、当院では以下のような初期検査を行います。

問診
心疾患、高血圧、糖尿病、甲状腺機能異常、腎機能障害、自己免疫疾患、特発性血小板減少性紫斑病など、妊娠した場合に問題になるような疾患の既往について、お聞きします。また、喫煙やアルコール摂取などの生活習慣も、お伺いします。
基礎体温測定
排卵や黄体機能評価に欠かせません。看護師が、測定方法や記録方法を説明いたします。
超音波検査
子宮状態の確認や卵胞発育モニタリングために、必須の無侵襲性検査です。
内分泌検査
妊娠成立に関与する、下垂体-性ホルモン系:LH(黄体形成ホルモン)、FSH (卵胞刺激ホルモン)、PRL (プロラクチン)、E2(エストラジオール)、P4(プロゲステロン)、T(テストステロン)と、妊娠維持にかかわる甲状腺ホルモン系:TSH (甲状腺刺激ホルモン)、遊離T3(トリヨードサイロニン)、遊離T4(サイロキシン)を測定します。
月経周期3-7日目にLH、FSH、E2、T、PRL、TSH、T3、T4の測定を行います。
黄体期中期にP4の測定を行います。
クラミジア検査
卵管疎通性障害を起こす疾患に、結核、淋病、クラミジア感染症などがあります。
近年増加しているのが、クラミジア感染症で、不妊症の卵管因子の主な原因になっています。採血によるIgG、IgAの抗体検査と、クラミジアDNAの抗原検査を行います。まさに感染中の時は、ピンポン感染を防ぐために、配偶者とともに治療します。
卵管疎通性検査
子宮内腔の形態評価や卵管疎通性評価のために、造影剤を用いて子宮卵管のX線検査を行います。検査の前にクラミジアなど所定の検査を済ませ、月経周期の7日目頃に行います。
精液検査
男性因子の評価のために、必須の検査です。
頸管因子検査(フーナーテスト)
性交後(12時間前後)に、子宮頸管粘液の中を運動する精子の状態を評価します。
通常、膣内の精子は2-3時間で動かなくなります。一方、子宮頸管内や子宮内腔、卵管に達した精子は2-3日、長くて7日間は生存しています。排卵期にきちんと子宮頚管から資料を採って、観察することが重要です。また、精子は、射精から1時間前後で、受精の場である卵管膨大部まで到達するといわれています。フーナーテストの結果が悪くても、すでに精子は目的地に到達し、妊娠が成立する可能性があります。
抗精子抗体測定
フーナーテストがたびたび不良であるときに、精子に対する不動化抗体の有無を検査します。
保険未収載の検査です。

不妊症の治療

 現在行われている不妊症の治療法として、タイミング法、排卵誘発法、人工授精などがあり、さらに専門的な体外受精や顕微授精などの生殖補助医療があります。
 通常、約半年ごとに順番にステップアップして行われます。

 当院では、タイミング法、排卵誘発法、人工授精まで行っています。
 体外受精や顕微授精などの生殖補助医療が必要な場合は、専門クリニックをご紹介いたします。

当院の人工授精(AIH)

排卵のタイミングを計り、施行日を決めます。予約が必要です。
通常、朝8:00から朝8:30頃に精子調整を開始します。
密度勾配遠心法で精子の洗浄濃縮を行います。
同時に、HCGによる排卵誘発を行う場合があります。
費用は、¥10,800-(含消費税)です。
この費用には、感染予防のための抗生物質経口薬などの費用が含まれます。

特定不妊治療助成

 体外受精や顕微授精など、生殖補助医療に対して、自治体の特定不妊治療助成が受けられます。
 大阪府や政令市、中核市が行う”不妊に悩む方への特定治療支援事業”と、各自治体が行う”特定不妊治療助成”があります。夫及び妻の前年の所得(1月から5月までの申請については前々年の所得)の合計額(所得額)が730万円未満の場合は、大阪府や政令市、中核市の事業で助成、730万円以上の場合は、各自治体独自の事業で助成を行います。
 箕面市、茨木市では所得額が730万円以上であっても対象になります。
 毎年、助成対象や補助額が改定されています。お住いの自治体のウェブサイトでご確認ください。

平成28年度の各自治体の助成
自治体 730万未満 730万以上
箕面市
茨木市
大阪市
豊中市
池田市
吹田市

 池田市、吹田市はこちらをご参照ください。